防腐剤・保存料・着色料などについて

小動物用フードとして販売されている食品の中には、防腐剤や保存料、着色料を含んでいるものが多々あります。
防腐剤や保存料は、消費期限を延ばすために多くの食品に使用されています。
防腐剤や保存料を頭ごなしに拒否・否定するのではなく、どんな物質によって酸化防止しているか・保存期間を高めているか...を気にしましょう。
また、着色料についても、その成分と使用意図を理解しておきましょう。


【ソルビン酸カリウム】保存料として使われます。
ソルビン酸カリウムは、同じ名前を持つソルビン酸と混同されますが、全く異なる性質を持っています。
ソルビン酸が“酸”であるのに対し、ソルビン酸カリウムは“ソルビン酸を中和したカリウム塩”であり、ソルビン酸が水に溶けにくい性質なのに対し、ソルビン酸カリウムは水に溶けやすい性質を持っています。
毒性については、ラットにおける皮下投与実験において、ソルビン酸では肉腫(腫瘍)が発症するものの、ソルビン酸ナトリウムでは腫瘍の発症は生じないという結果が出ているそうです。
また、経口投与においては、ソルビン酸・ソルビン酸ナトリウムともに腫瘍の発症は生じなかったそうです。

【エリソルビン酸】防腐剤(酸化防止剤)として使われます。
エリソルビン酸は別名イソアスコルビン酸ともいい、ビタミンCの成分(アスコルビン酸)に“似ているけど違う物”という意味を持っています。
“似ている”というのは、ビタミンC同様に強い酸化防止作用を持っている事で、“けど違う物”というのは、酸化防止以外の作用を持たないため、ビタミンCの代用にはならないためだという事です。
また、この酸化防止成分が食品の防腐剤として使われるのは、その毒性が極めて低いためとのことです。

保存料・防腐剤(酸化防止剤)として、上記のような物質が使われ、なおかつ物質名がきちんと明記されているものであれば、ごくたまに少量与える程度の摂取は問題ないと考えます。
しかし、単に「保存料」「防腐剤(酸化防止剤)」とだけしか明記されていない食品は避けた方が良いでしょう。
安全な物質を使用していたとしても、それが明確に表示されてない以上は、健康に害を及ぼすおそれのある物質が使われている可能性も否定できないと考えられるからです。


着色料については、化学合成によるものと、植物性によるものがあります。
化学合成とは俗に「合成着色料」と呼ばれるもので、「青色○号」とか「黄色○号」などと記されています。
これらは“色を付けるためだけ”に作られた物質なので、使用されている食品はハムスターに与えるべきではないと考えます。
植物性の着色料は、植物(ベニバナ・ニンジン・緑黄色野菜など)から抽出されたものを使っている事が多く、安全性は比較的高いです。
しかし、問題は「なぜ着色する必要があるか?」という事です。
着色はあくまでも“人間的視覚効果”であり、ハムスターには無意味なものだと思ってください。
ちなみに、『赤色40号、赤色102号、黄色4号、黄色5号』は特定の疫学的な相関の検知から、英国ではメーカー自主規制対象タール色素とされています。
※子供に対して「注意欠陥多動性障害に影響する可能性がある」とのことです。

同種の食品が存在する場合、原材料をよく読んで、なるべく自然なものだけを使用している方を選ぶのが無難です。
しかし、同種の食品が存在しなかったり、原材料が不明瞭な場合は、購入する前に「本当に今、ハムスターに与える必要があるのか?」を考えてみてください。

不安要素のある物質が含まれた食品やサプリメントを与えたからといって、必ずしも短命になるとは限りません。
問題なのは、何も知らずに大量摂取させることであって、飼い主が成分を理解し、与える量をしっかりと管理していれば、大きな問題は起こらないと考えます。

【例:食用着色料・黄色4号】
「安全性」ADI(1日の摂取量)0~7.5mg/kg/day
「毒性」被検体マウス LD50(致死量)経口12.8g/kg、腹腔>2.0g/kg
1日あたりの安全摂取量を守っていれば問題はないが、限度を超えた摂取は急性中毒を引き起こし死に至る事もある。

【主な食用着色料と使用禁止国&危険性】

着色料 使用禁止国 発症するリスク
 赤色2号  アメリカ  発がん性、妊娠率低下、ジンマシンなど
 赤色3号  アメリカ・ポーランド・ドイツ  ラットによる実験で赤血球の減少を確認
 赤色102号  アメリカ・ベルギー・カナダ  ラットによる実験で赤血球の減少を確認
 赤色104号  日本以外の殆どの国  発ガン性の可能性あり
 赤色105号  日本以外の殆どの国  ラットによる実験で食欲低下、成長力低下などを確認
 赤色106号  日本以外の全て国  発がん性の報告あり
 青色1号  EU諸国  リスク低
 緑色3号  アメリカ・EU諸国  リスク低


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